本記事では雇用保険の手続き、職業訓練の手当について解説します。
- どうやったら雇用保険をもらいながら通えるの?
- いつまでお金はもらえるの?
こんな疑問に答えていきます。
職業訓練って何?という方は下記の記事にて解説しています。
職業訓練に通うと雇用保険をもらう上でもメリットをさくっと見たい方はこちら
雇用保険をもらうには?
※失業保険と雇用保険は同じ意味です。本記事では雇用保険で統一します
雇用保険をもらうには、雇用保険に加入していて受給資格がある方です
詳しく見ていきます。
①雇用保険に加入している方
- 31日以上の雇用見込み(実績)で働いていた
- 1週間の労働時間が20時間以上で働いていた
正社員で働いていた方やパートタイムで週20時間以上働いていた方は加入しています。
②雇用保険の受給資格がある方
- 失業中であること
- ハローワークで求職の申込をしている方
- 就職の意思がある・就職できる状態である方
- 離職日以前2年間に雇用保険の期間が通算して12カ月以上あること
1年以上雇用保険に加入して、失業後ハローワークで求職申込をしている方が対象です。
働ける環境にいないと受給資格はありません。病気で療養が必要な方や家事を専念したい等の理由では受給できません。
雇用保険加入者で、会社の倒産や雇止め、病気でやむなく仕事を辞められた方は給付の条件緩和があります。詳しくはハローワークにて確認してください。
上記条件を満たす方で、ハローワークで手続きをすれば雇用保険を受け取ることができます。
いつから雇用保険をもらえるの?
雇用保険(失業手当)はすぐにはもらえません。手続き後早い方で1か月後、通常は2カ月~3カ月後に初回の振込があります。
会社都合退職、正当な理由のある自己都合退職
やむなく退職した方です。受給申請し7日間の待機期間後、給付が始まります。銀行口座への振込は月1のため、実際にお金が振り込まれるのは1カ月後です。※給付制限なし
自己都合退職
自己都合退職の場合、受給申請し「7日間の待機 + 2カ月の給付制限」を経て給付が始まります。初回の振込まで約3カ月の時間を要します。
職業訓練へ行けば2カ月の給付制限をなくして、お金を受け取ることができます
退職後に給付申請をして7日間の待機期間が明ければ、職業訓練1日目から給付が始まります。
雇用保険はどのくらいもらえるの?
働いていた年数で、もらえる日数が変わります。
1年未満 | 1年~5年未満 | 5年~10年未満 | 10年~20年未満 | 20年以上 |
ー | 90日 | 90日 | 120日 | 150日 |
※職歴が複数の場合は、雇用保険期間を合算して計算します。
職業訓練に通っている間は、給付日数がなくなっても延長給付されます
※延長給付には、訓練開始1日目までに所定の残数がないといけません。※給付制限のない方は大幅に残数が減ります。
下記は自己都合退職された方
支給日数 | 訓練開始日に必要な残数 |
90日 | 31日 |
120日 | 41日 |
150日 | 51日 |
延長給付を受けるためには、計画的に職業訓練の準備をしましょう。
退職後すぐに行くも良し、給付日数の残りギリギリで行くも良しです
支給額は前職の50%~80%の金額がもらえます。前職の給料が低いほど倍率が高くなります。
前職の直近6カ月の賃金 ÷ 180 × 給付率 = 1日の金額
この計算式で出た金額が1日の金額です。
支給額には上限があります。※以下参照
30歳未満 | 6760円 |
30歳~45歳未満 | 7510円 |
45歳~60歳未満 | 8265円 |
60歳~65歳未満 | 7096円 |
ざっくりな金額は厚生労働省のQ&Aが役に立ちます。
Q10 雇用保険(基本手当)の受給できる額は、例えば1か月でどの程度もらえるのか、だいたいの金額を教えてください。
正確な金額は住居所を管轄するハローワークに提出いただく離職票に基づき計算しますが、給与の総支給額(保険料等が控除される前の額。以下同じ。賞与は除きます。)により、概ね以下のとおりです。
平均して月額15 万円程度の場合支給額は月額11 万円程度
平均して月額20 万円程度の場合支給額は月額13.5 万円程度
平均して月額30 万円程度の場合支給額は月額16.5 万円程度
出典 Q&A~労働者の皆様へ(基本手当、再就職手当)~|厚生労働省
職業訓練に行くともらえる手当は?
ここで金額をまとめてみます。
雇用保険(基本手当) + 受講手当 + 通所手当
受講手当は日額500円 (上限2万円)
通所手当は訓練所に行く交通費代です。(上限42500円)
これら3つを合計した金額が毎月支払われます。
厚生労働省の例をあげると、前職が20万円の場合、13.5万円+500円+交通費代となります。
通所手当は公共交通機関の場合は満額、車の場合は距離に応じて支払われます。
雇用保険の手続きの流れ
最後に手続きの流れを紹介します。
①退職
退職後、約2週間以内に会社から離職票が届きます。離職票が届かない場合は会社又はハローワークに確認します。
②ハローワークで受給申請をする
ハローワークで求職の申込をし、離職票を提出します。受給資格をハローワークが確認します。
③雇用保険受給初回説明会に参加する
日時を指定されますので、必ず参加します。「雇用保険受給資格者証」「失業認定申告書」をもらえます。
④以降は求職の活動を継続的に行う
給付を受け取るには4週間毎に2回以上求職活動を行う必要があります。その結果をハローワークへ月1で報告しに行きます。
※求職活動は、求人への応募やハローワーク指定のセミナー参加等です。
職業訓練へ行けば求職活動は無くなり、ハローワークへ行く必要はありません。
訓練の申込タイミングは退職後いつでも問題ありません。ハローワークへ確認しながら手続きを進めていきましょう。
まとめ
職業訓練に行くことで、雇用保険の給付にメリットが生まれます。
●職業訓練に通えば、2カ月の給付制限はなくなる
●雇用保険の給付期間は、訓練終了まで延長される
●訓練中は、ハローワークへ失業認定にため来所しなくてよい
※延長給付を受けるには、雇用保険の支給残数が一定以上必要です
訓練に集中して、しっかりとスキルを身につけていきましょう!
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